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英国史上まれに見る極悪人として名高いリチャード三世の真の人物像を探ることを目的としています。
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The Tale of Despereaux(ねずみの騎士デスペローの物語)

闇の中の光、絶望と希望、憎しみと赦し。そして、物語の持つ力。



The Tale of Despereaux: Being the Story of a Mouse, a Princess, Some Soup, And a Spool of Thread

The Tale of Despereaux

Kate DiCamillo(著)

”Newbery Medal (2004)”

邦題『ねずみの騎士デスペローの物語

31,975語 YL4.5 Reading Level 4.8 Lexile Level 670L Flesch-Kincaid Index: 4.7



通常は、1ヶ月の読書記録の下に一部の作品についてコメントを書いているのだが、長くなったので、別記事にする。多読を始めて良かったと思った作品の一つ。そうでなければ読むことはなかっただろうから。



物語は4部から構成されている。舞台は人間の国王とその家族が住む城。
第1部は、本や音楽を愛する変わり者の小さな mouse、 Despereaux の話。第2部は、やはり変わり者の rat、Chiaroscuro
の話。彼は、自分の住処である地下牢の闇を嫌い、光に憧れている。第3部は、親に売られ虐待された少女、Miggery Sow の話。頭の回転が遅く、耳もよく聞こえない彼女は、いつか王女になることを夢見ている。
この3者それぞれと Princess Pea が関わりを持ち、第4部では登場人物が一堂に会し、物語は終末に向かう。



途中、Chiaroscuro がどうなるのかが一番気になった。最後はちょっと哀しいが、あの終わり方はある意味リアルだと思う。



この物語では、闇の中の光、絶望と希望、憎しみと赦しが描かれる。
そして、また、物語の持つ力についても(控えめに)描かれている。






作者がこの物語を書いている最中に9/11テロが起き、「自分たちの周りで世界が崩れ落ちている時に、王女を救うネズミの話を書くなんて意味がない(It doesn’t matter at all now.)」と感じていたという。しかし、飛行機で偶然出会った男性に、「たぶん物語は重要だ(maybe stories do matter.)」と言われ、その言葉を書いた紙を机に置き、執筆を続けたそうだ。



作者 Kate DiCamillo のインタビューがこちらで読める(PDF)↓
http://www.teachingbooks.net/content/interviews/DiCamillo_qu.pdf



地下牢の看守が Despereaux に言う。


Stories are light. Light is precious in a world so dark. Begin at the biginning. Tell Gregory a srtory. Make some light.
(物語は光。暗闇の世界の中で光は貴い。最初から始めておくれ。グレゴリーに話しておくれ。光をおくれ)



上の言葉に心打たれるのは、おそらく私が、本、そして、物語を心の友として育ったからなのだろう。大人になった現在もさして変わらず、もしも実用書以外の本を読めなくなったらどうやって生きていけばよいかわからない、と本気で思っている。



Kate DiCamillo の他の作品も気になる。図書館にないのが残念だが、Because of Winn-Dixie (2001年度 Newbery Honor 受賞作) か The Tiger Rising をそのうち購入して読んでみようと思う。





Copyright(C)since2005 白い猪亭


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"Henry VIII and His Wicked Wives (Horribly Famous)"

ヘンリー八世に関する子供向けの歴史本。父のヘンリー七世(テューダー朝開祖)にも触れている。



Henry VIII and His Wicked Wives (Horribly Famous)


Henry VIII and His Wicked Wives (Horribly Famous)


Alan MacDonald(著)


20,061語 YL4.0 Reading Level 4.1 Lexile Level 710L

Henry VIII and His Chopping Block の改題



Amazon(日本)  Amazon(米)  Amazon(UK)



子供向けだが、重要な点は網羅していると思う。そして、結構ブラックというか、エグいことがさらっと書かれていたりする(原題が Henry VIII and His Chopping Block だし)。そのためか、Reading Level は4.1(4年生で読めるレベル)だが、対象は Grades 6 - 9 (アメリカ)となっている。



架空の日記や手紙、新聞記事が載っていたり、漫画やイラストも多く、子供達が興味を持ちやすいように工夫されている。小・中学生がこんな本で歴史を学んだらさぞ楽しかろう。
同シリーズの他の本も読んでみたい気がする。



2万語強(出版社情報)にしては長い印象を受けたが、手書き文字(日記や手紙、新聞等の部分)は語数にカウントされていないのかもしれない。






多読を始めてから初めて購入した本がコレである。我ながらちょっとどうかと思う。
実は、11月末に初めの方を読んだ後、1ヶ月以上放置していた(それでも私にしては放置期間が短い!)。面白いことは面白いのだが、歴史オタクとしては知っていることが多く(汗)イマイチ新鮮味にかけたのと、手書き文字の部分が読みにくかったのも放置の理由だが、おそらくそれ以上に重大な理由が……ヘンリー八世が嫌いだということ。途中で読む意欲が低下してしまった。
そんなもの買うな、という感じだが、あまりにタイトルが魅惑的で誘惑に抗しきれなかった(笑)。





Copyright(C)since2005 白い猪亭


Lord Darcy(ダーシー卿シリーズ) 2

Lord Darcy 1 > Lord Darcy 2 ]



主人公のダーシー卿とワトソン役のマスター・ショーンをはじめとして、登場人物のキャラが立っている。



ダーシー卿は、王弟ノルマンディ公爵の主任捜査官である。初登場時には「三十代の背の高い、茶色い髪の男で、細面の、なかなかハンサムな顔立ち」で「英仏語を話したが、イギリス[イングランド]の強いなまりがあった」と描写されている([ ]内は秋津羽。「藍色の死体」(『
術師を探せ!
』所収)では「国王は三十歳でダーシー卿より数歳若いだけ」という記述がある(39年戦争時にダーシー卿18歳とすると、1963年時に41-42歳の筈だが……)。ダーシー卿には<タレント>はなく魔術は使えないが、推理力に優れ、マスター・ショーン曰く「是認されていない仮説から必然的結論へと一足とびにとびうつる能力」をもっている。



マスター・ショーンは、教会に認可されたマスター魔術師で、専門は法廷魔術。ノルマンディ公爵の主任法廷魔術師であり、捜査の証拠固めをするのは彼である。背の低い「赤ら顔に微笑をうかべた、ずんぐりした男」で、魔術について説明する時は「教師ぶった口調」になり、アイルランド訛りが消える。



脇役では、国王兄弟が凄く良い♥ 国王ジョン四世は『藍色の死体』時に30歳、王弟ノルマンディ公爵リチャードは10歳年下だから20歳。別に、長身・金髪・美形の兄弟だからではなく、言動が良い。
臣下(ダーシー卿)があとずさりして部屋を出なくてすむように背を向ける、ジョン四世陛下萌え。「わが兄、国王は、今回の件以上に重要な国家機密を託せるほどに、ダーシー卿を信頼している」と、答えなくてもよいことまで答えるリチャード殿下萌え。



印象的なのが『魔術師が多すぎる』に出てくるダーシー卿の従兄弟、ロンドン侯爵だ。
すごく肥満していて、体重は20ストーン(約152キロ)もあり、(ダーシー卿によると)怠惰でけちんぼう。めったに邸を離れることはなく、犯罪捜査のために邸を出たことはただの一度もない。すばらしい推理力を持ち、主任捜査官の口頭の報告を聞いただけで、とても複雑な事件を、ぴたりと解決することがある。植物の栽培に情熱をかけており、邸に植木室を持っている。
邸を離れないロンドン侯爵の代わりに行動し、彼の目となり耳となっているのが、侯爵の主任捜査官ポントリオンフィ卿。かなり長身の、どちらかといえば美男子で、なかなかもてるらしい。話術にたけ、記憶力が良い。
探偵ネロ・ウルフと助手のアーチーを髣髴とさせる設定である。ネロ・ウルフのパロディ、と言うか、オマージュなのだろう。作品のタイトル『魔術師が多すぎる(Too Many Magicians)』も、ネロ・ウルフものの『料理長が多すぎる
(Too Many Cooks)』を思い起こさせる。



【作品リスト】 ()内は発表年



  • その眼は見た The Eyes Have It (1964):1963年の設定

    魔術師を探せ!』所収


  • シェルブールの呪い A Case of Identity (1964):1964年1月の設定

    魔術師を探せ!』所収


  • 藍色の死体 The Muddle of The Woad (1965):1964年5月の設定

    魔術師を探せ!』所収


  • 魔術師が多すぎる』 Too Many Magicians (1967):1966年10月の設定


  • 想像力の問題 Stretch of the Imagination (1973):1972年10月の設定

    別冊奇想天外13号「SF MYSTERY大全集」所収


  • 重力の問題 A Matter of Gravity (1974):1974年4月の設定

    『SFミステリ傑作選』(講談社文庫 風見潤編)所収


  • イプスウィッチの瓶 The Ipswich Phial (1976):1975年 or 1976年の設定

    『SF九つの犯罪』(新潮文庫)所収


  • 十六個の鍵 The Sixteen Keys (1976)

    ハヤカワミステリマガジン(2006年2月号)所収


  • 苦い結末 The Bitter End (1978)

    SF宝石(1980年2月号)所収


  • ナポリ急行 The Napoli Express (1979):「十六個の鍵」の後日譚

    SF宝石(1981年4月号)所収


  • The Spell of War (1979):1939年秋の設定(チャールズ三世治世) ダーシー卿18歳
    未訳


Lord Darcy 1 > Lord Darcy 2 ]





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Lord Darcy(ダーシー卿シリーズ) 1

[ Lord Darcy 1 > Lord Darcy 2



科学の代わりに魔術が発達したパラレルワールドのヨーロッパを舞台としたミステリ




Lord Darcy

Lord Darcy

Randall Garrett (著)

シリーズ全作を収録


Amazon(日本)  
Amazon(米)  
Amazon(UK)



独特な用語があるが(世界観も独特!)英文自体は平易でとても読みやすい。未邦訳の短編が1編あり、邦訳のあるものも入手困難なものが多いので、興味のある方は是非原書でどうぞ。

なお、第1作 "The Eyes Have It" (邦題:その眼は見た)は Project Gutenbergからダウンロードできる。



魔術師を探せ!

魔術師を探せ!

ランドル・ギャレット (著)

短編集
「その眼は見た」「シェルブールの呪い」「藍色の死体」

ハヤカワ文庫 絶版(2005年に再版されたが、再び絶版となっている)


魔術師が多すぎる

魔術師が多すぎる

ランドル・ギャレット (著)

シリーズ唯一の長編

ハヤカワ文庫 / ハヤカワポケミス 絶版


一種の歴史改変物、パラレルワールド物であり、本格ミステリでもある。
英国とフランスが一つの大国となっており(英仏帝国)、もう一つの大国ポーランド(王国)との間にスパイ合戦が繰り広げられている。
主人公のダーシー卿は、王弟殿下ノルマンディー公リチャードの主任捜査官。彼は、腹心の法廷魔術師マスター・ショーン・オー・ロクレーンと共に、様々な事件を解決していく。



このパラレルワールドでは、<タレント>と呼ばれる特殊能力を持った者が訓練を受け、魔術師となる。魔術は法則に則って行われ、限界もあり、魔術で何でもできるというわけではない。
ストーリー上、魔術はミスディレクションとして使われていることが多く、ダーシー卿の推理は論理的に進められている。




ミステリとしての魅力もさることながら、歴史オタクにとっては、物語の設定も非常に興味深い。





舞台となっているのは、イングランド、フランス、スコットランド、アイルランドが一つとなった英仏帝国(the Anglo-French Empire)である。公用語はアングロ-ノルマン語(Anglo-Norman)ならぬ、英仏語(Anglo-French)。
統治しているのはプランタジネット王家だ。


 プランタジネットの一族は、八百年にわたって、努力と苦難の道を歩んできたのだった。血と汗と涙の八世紀であった。領土を確保し、拡大するため、剣や銃や見事な外交によって帝国の敵との戦いにあけくれた八世紀であった。
 帝国は耐えた。そして、すべての責務が国王ひとりの肩にかかり、もはやこれ以上耐えることができない、と全臣民が悟るまで、帝国は耐え続けるだろう。帝国は全臣民に、おのれの義務をつくすことを要求している。

「シェルブールの呪い」 『魔術師を探せ!』所収



8世紀にわたり存続するプランタジネット王家!なんて素敵!想像しただけでうっとりする(ちょっとおかしいという自覚はある、一応)。



「我々の」歴史では、"獅子心王"リチャード一世(1157年-1199年)は1199年にフランスのChalus(シャリュ)の城を攻撃中にクロスボウで受けた傷が元で死亡した。その後、弟の"欠地王"ジョン(1167年-1216年)が即位し、彼の子孫が王位を継承した。
しかし、このパラレルワールドでは、リチャード一世は Chaluz の包囲戦で負傷したが、九死に一生を得た。その後、王国を立派に統治し(Chaluz 以前は王国を顧みなかった)、領土を拡大し、1215年にはフランス・カペー朝を滅ぼした。リチャード一世が1219年に亡くなった時には、末弟のジョンは既に他界しており、32歳の甥(弟ジェフリーの息子)アーサーが即位し、善政を敷いた("アーサー善王"と呼ばれる)。それ以降も領土を拡大し、プランタジネット家が国を治めている。
……フランス人が読んだら激怒するだろう設定ではある。



  • 現在の国王はジョン四世。父はチャールズ三世、母はヘルガ王妃。弟はノルマンディー公リチャード。


  • ジョン四世の称号は、英語では、
    John IV, by the Grace of God, King and Emperor of England, France, Scotland, Ireland, New England, and New France, Defender of the Faith, ....
    (ジョン四世、神の恩寵により、イングランド、フランス、スコットランド、アイルランド、ニューイングランド、ニューフランスの国王にして皇帝、信仰の擁護者、……)


  • ニューイングランド、ニューフランスは、それぞれ北アメリカ大陸、南アメリカ大陸に相当する。


  • ジョン四世は神聖ローマ皇帝でもある。神聖ローマ帝国にはドイツとイタリアが含まれるが、皇帝の権力は限定されており、実際には統治しているとは言えない。イタリアでは議会の力が強い。


  • これまでの国王達は、ノルウェーやデンマークの王女達と数世紀に渡り婚姻を結んできた。


  • リチャード王はこれまで七名いた(七世まで)。


  • 国王の長男の帯びる称号はウェールズ公(Prince of Wales)ではなく、ブリテン公(Prince of Britain)。


  • 王位は長子相続制ではない。ジョン四世の死後は、彼の2人の息子(ブリテン公とランカスター公 Duke of Lancaster)と王弟ノルマンディー公リチャードの3名の中から、議会が国王を選ぶことになっている。


[ Lord Darcy 1 > Lord
Darcy 2





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